![]() | イッキー・サンプ ザ・ホワイト・ストライプス (2007/06/20) WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M) この商品の詳細を見る |
曲目
1Icky Thump
2You Don't Know What Love Is (You Just Do As You're Told)
3300 M.P.H. Torrential Outpour Blues
4Conquest
5Bone Broke
6Prickly Thorn, But Sweetly Worn
7St. Andrew (This Battle Is In The Air)
8Little Cream Soda
9Rag And Bone
10 I'm Slowly Turnin Into You
11 A Martyr For My Love For You
12 Catch Hell Blues
13 Effect And Cause
14 Baby Brother (ボーナストラック)
すさまじい「手作り感」の新作
現代のロック・シーンにおける若い世代の中でのカリスマといったらどのバンドになるだろうか。
当然レディオヘッドを挙げる人はいるだろうし、コールドプレイだと言う人もいるだろう。
はたまたプライマル・スクリームあたりを挙げてくる人がいても不思議じゃない。
音楽はいつだって聴く人によって評価の基準は違ってくるものだが、私にとっての今の時代の若きカリスマは、このホワイト・ストライプスを抜きには考えられないと思っている。
今まで出してきたアルバムは、どれをとっても面白かったし、どのアルバムも、ほかの彼らと同世代のバンドとはひと味もふた味も違っていた。
私は彼らのサウンド・ポリシー、音の創り方というものは、ほかの若い同世代のバンドとはまったくレベルが違うと思っている。
よく彼らと同世代のバンドのバカなメンバーが「ホワイト・ストライプスなんてくそだ。」とか「ぜんぜんいいと思わない。」なんて言ってるインタビューを耳にすることがあったが、そんな奴らとジャック・ホワイト(Vo.G.)とはまったく才能のレベルが違う。
それが分からないから、奴らはあんなつまらない曲しか書けない。
ジャック・ホワイトという若者は、昔鳴っていたロックやブルースのいちばん良かった頃の音が分かっている人で、かつそれを現代の感覚で自分なりに表現できることのできる稀有な才能の持ち主だ。
そして彼らのすごいところは、そうしたオールドファッション風のシンプルな音創りのアルバムを出して大ヒットしたからといって、変に次の新しいアルバムでは金をかけてもっとゴージャスな音にしようぜ、とかなってしまわないところだ。
このアルバムでも、彼らの音は相変わらず薄っぺらくノイジーで、手作り風だ。
そういえばジャンルは違うが、前にクラシック音楽評論家の大家である吉田秀和という人があるテレビ番組のインタビューで「芸術というのは手作りじゃないといけないんですよ。」と語っていたのを思い出したが、ほんとうにいい音楽というものは聴いていて「手作り」の音が聞こえる音楽だというのは正しい定義だと思う。
このアルバムも最初の一曲目から、すさまじい「手作り感」の音が鳴っているが、とにかく強力なリフを持った曲が次々と繰り出されてくるこの快感はもうロック、ブルース好きにはたまらないものだ。
彼らの曲には一瞬の沈黙さえもロックの「ノリ」に変えてしまうマジックがある。
とにかく曲の中の静と動のメリハリのつけ方が素晴らしくて、分かっていてもこのロックの原始的なグルーブには興奮せずにはいられない。
ホワイト・ストライプスがいれば、年とったレッド・ツェッペリンとかいらないと私は思っている。


