![]() | 12 Gardens Live Billy Joel (2006/06/13) Columbia この商品の詳細を見る |
最近のグラミー賞の授賞式などで時々、顔を見せるビリー・ジョエルの姿に私は失望をしていた。
頭髪は薄くなり、白髪まじりの髭を口のまわりにいっぱいたくわえ、ころころと太ってしまい、いかにも老けた姿をさらしている最近のビリー。
これが、学生の頃からずっとあこがれ続けてきた俺達のビリー・ジョエルなのか。
あの若く、無鉄砲で、やんちゃな雰囲気をかもし出していたビリー・ジョエルはもういなくなってしまった。
ポピュラー音楽のアルバムを創らなくなってしまってからもうだいぶ経つので、ポピュラー歌手としてのビリー・ジョエルはもうすでに今では引退しているものと私は思っていた。
だから、このライヴ・アルバムをタワーレコードで見かけた時は驚いた。
どうしてまた、ロック・シーンにいきなり戻ってきたのだろう。
それもマジソン・スクエア・ガーデンという大きな会場での本格的な復帰だ。
彼の心の中では、もうポピュラー音楽家としての自分は終わったと考えていた、とばかり私は思っていたので、これほど大きなコンサートをいきなり開く事が信じられなかった。
それゆえ私は、このライヴアルバムを聴くのが少し怖かった。
あのいつでもばりばりに声が出ていたパワフルなビリーがすっかり衰えてしまっていたらどうしようか、と。
しかし、不安はふっ飛んだ。
予想以上に、このアルバムでのビリーはパワフルで元気だ。
声の迫力も若い頃と変わらずに、すごい。
ピアノのスピード感もすごく爽快で、さすがの迫力だ。
2枚組のCDにびっしり詰め込められた名曲の数々。
ビリー・ジョエルの歌には、歌心がある。
一曲一曲が熱くて、せつなくて、愉快で、古い表現だけど、彼の曲は私の青春だった。
![]() | ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨 山田 詠美 (1996/10) 新潮社 この商品の詳細を見る |
私が山田詠美に興味をもったのは、じつは井上陽水つながりだ。
彼女は井上陽水と何度か対談をしている。
以前、FM専門誌で読んだことがあったし、山田詠美自身の対談集でも読んだことがある。
先日も、テレビで二人は対談していた。
私は陽水の大ファンなので、陽水が好んでよく対談しているこの女流作家とはいったい何者なのだろう、と長い間思っていて、いつか彼女の小説が読んでみたいと思っていた。
この「ベッドタイム・アイズ」は彼女の1982年のデビュー作で、文藝賞を受賞した優れた作品だということだ。
日本に駐在する黒人脱走米兵と日本人の女性クラブ歌手の愛を描いた作品で、その文体、表現力が文壇に高い評価を受けた作品だ。
しかし、私が読んでみて思ったのは、この作品がなぜそんなに賞をとるほどの評価を受けたのかがよく分からない、というのが正直なところだった。
いやというほど繰り返されるセックス・シーンのリアルな描写といい、無意味に英語を多用した気取った文体といい、これがほんとうに優れた小説なのだろうか、と私は思った。
私はそんなに日本の小説をたくさん読んでいないから、この良さが分からないだけなのだろうか。
この小説がそんなに高く評価される理由が最後まで分からないまま、読み終わった。

私はひそかにブラーのデーモン・アルバーンという人はタダ者ではないと、前々から思っていたから、このGorillazの成功というのが愉快でしょうがない。
ブラーはオアシスと共に2大ブリティッシュ・バンドなどと祭り上げられて、大物バンドの道へと進むのが必然のようになってしまった。
私は、ブラーというバンドのサウンドやいかにもイギリスっぽいしゃれたユーモアやイギリス英語というものがなぜか気にいっていて、デビュー当時からよく聴いていた。
日本では、オアシスの方がだいぶ人気が高かったようだが、私にはオアシスというバンドがちっとも面白いものに思えず、ほとんど聴くことはなかった。
オアシスのバンド・サウンドというのは素晴らしいし、りっぱなのは分かるのだが、私はあまり「りっぱなロック」というのが好きではない。
ロックなんて、ちょっと人を小バカにしたような感じで充分だって思うのだ。
ブラーには、そういうところがあったから好きだった。
そんなブラーも、最近出すアルバムの曲には、「イギリスを代表するロックバンド」みたいな評価とプレッシャーを押し付けられたせいか、だんだん普通の大物ロック・バンドみたいな「りっぱなサウンド」になっている傾向が、私は感じられてきて、いつしか私の興味からブラーというバンドははずれてしまうようになった。
ところが、2001年、ブラーのリーダーのデーモン・アルバーンは突如、Gorillazなるバーチャル・バンドを結成した。
私は当初、このバンドのことはよく知らなかったが、例のグラミーでのマドンナとのパフォーマンスをきっかけに、セカンド・アルバム「ディーモン・デイズ」を買った。
Gorillazのサウンドはユーモアがあって、チープでユニークで、久しぶりにデーモンのユーモアや創造性が発揮されたサウンドだ、と私は感じた。
一聴して私がまず思い浮かべたのは、YMOとポール・マッカートニーの「マッカートニー2」というアルバム。
いわゆる80年代のテクノ・ミュージックのひんやりとしたチープなサウンドが特長で、しかし、Gorillazはそこに現代のヒップホップの要素も巧みに取り入れて、より新鮮なサウンドを創出している。
こんなチープなサウンドは、もう大物バンドになってしまったブラーには出来ない。
だから、デーモンはこのバンドを始めたのだろう。
このマンチェスターでのライヴも、じつにユニークで不思議なライヴであった。
何しろ演奏するバンドやメイン・ヴォーカルのデーモンの姿がずーっとシルエットでしか見る事が出来ないのだ。
こんなロック・コンサートも珍しい。
しかし、多数の無名有名(無名の方が圧倒的に多い)のゲストが曲ごとに次々とステージに登場したり、次々と美しいビジュアルの大型画面が変化してゆき、観客をまったく飽きさせる事はない。
それどころか、今まで体験したことのない、この楽しくもユニークなコンサートに観客は大満足できるのだ。
このコンサートは、進化したテクノロジーを象徴するような、新しい時代のコンサートだ。
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![]() | グッバイ・アリス・イン・ワンダーランド ジュエル (2006/05/10) ワーナーミュージック・ジャパン この商品の詳細を見る |
曲目
1アゲイン・アンド・アゲイン
2ロング・スロー・ライド
3グッバイ・アリス・イン・ワンダーランド
4グッド・デイ
5サテライト
6オンリー・ワン・トゥ
7ワーズ・ゲット・イン・ザ・ウェイ
8ドライヴ
9ラスト・ダンス・ロデオ
10 フラジャイル・ハート
ジュエルは大好きなアーティストで、デビューアルバムの「心のかけら(Pieces Of You)」から彼女のアルバムは全部持っている。
彼女の素晴らしいところは、ギター一本でも充分聴く者を納得させるだけの表現力と実力を持っているというところだ。
ジュエルの曲はどれも聴きやすくて、チャーミングなところが好きだ。
デビュー当時のアコースティック・ギターを中心としたシンプルな構成の楽曲から、最近は前作「0304」のようなダンサブルなものまで、アルバムごとに少しずつ進化を遂げるジュエル。
このアルバムではそういった音楽的に幅の広がってきた最近のジュエルと、初期の頃のギター一本で歌っていた頃のジュエルの両方の雰囲気が感じられる、非常に素晴らしい内容のものになっている。
聴きやすくて、いい曲がいっぱい詰まっていて、やっぱり素晴らしいですね、この人は。
このアルバムでの聴きどころはジュエルのさらに進化を遂げたヴォーカルで、非常に表情豊かで多彩になっているところが凄い。
時に力強く、時に可愛らしく、ひとつの曲の中でも微妙に声色を変化させて、聴く者を圧倒する。
「ギター一本と声」だけでこれだけ多彩な表現のできるアーティストは最近なかなか見かけなくなった。
以前、来日コンサートにも行ったが、ほんとうに、いいコンサートだった。
写真で見る印象よりも、意外に大柄な女性で、とてもスタイルがよくて綺麗な女性でした。
このアルバムのジャケットもじつに美しい!!




