![]() | ザ・グレイテスト・ソングス・オブ・ザ・フィフティーズ バリー・マニロウ (2006/08/23) BMG JAPAN この商品の詳細を見る |
曲目
1思い出の時
2恋のゲーム
3アンチェインド・メロディ
4ヴィーナス
5イッツ・ノット・フォー・ミー・トゥ・セイ
6慕情
7心は王様
8シンシアリー/今夜教えてね (デュエット・ウィズ・岩崎宏美)
9今夜はひとりかい?
10 心の青春
11 夢を見るだけ
12 ホワット・ア・ディファレンス・ア・デイ・メイド
13 ビヨンド・ザ・シー
14 ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー
全米ナンバーワンヒットとなったアメリカ盤が出てから、待って待ってようやく発売された日本盤を買った。
バリー・マニロウの70年代の曲はほんとうに素晴らしい曲がたくさんあって、私も大好きで、ほんとうによく聴いた。
「涙色の微笑」「Even Now」「コパカバーナ」、、数々の名曲を生み出し、フランク・シナトラの後を継ぐヴォーカリストとして、快進撃は続くように思われた。
しかし、80年代、90年代と徐々にバリーの発表する曲がワンパターンになってきて、曲自体の質もやや落ちて、ヒット曲も出ないようになってきた。
その上、時代はラップやヒップホップが台頭する時代。バリーのような正統派のバラードシンガーは時代に取り残される格好となった。
その後もバリーは様々なタイプの音楽に挑戦した作品を出し続けてはいたが、私にはやっぱり70年代の名曲の数々が忘れられず、新しい曲で聴いてみようという気にはならないでいた。
だけど、時々聴きたくなるのが、70年代のバリーの曲だ。
心が、体が、疲れきってしまった時、いやな事があった日、ストレスでつぶれそうな時、バリーの優しい歌声に包まれたくなる。
いい歌は、20年30年経っても聴きたくなるものだ。
ところが最近、久々にうれしいニュースが入ってきた。
バリー・マニロウの新作がビルボードのアルバム・チャートで1位になったというのだ。
それが、このアルバム。
1950年代の名曲をカバーしたアルバムで、プロデュースは久しぶりにアリスタのクライブ・デイヴィスが担当している。
クライブ・デイヴィスは70年代のバリーの黄金時代のプロデューサーで、アリスタ・レコードの社長。
彼は、いい音楽というものを知りつくした人で、最近はロッド・スチュワートのカバー・アルバム・シリーズを手掛けて大ヒットにつなげた。
しかし私は、ああいった決して正統派とはいえないロック・ミュージシャンのロッド・スチュワートが変にこねくった歌い方でオールド・ソングを歌っても、あれだけ大ヒットするのだから、バリー・マニロウのように「ちゃんと」歌える人がオールド・ソングを歌ったら、もっとぜんぜん良いものができるとずっと思ってきた。
それはクライブも分かっていたのだろう。こういうアルバムを出せるのは、今バリー・マニロウ以外にいないということが。
今の時代は、ロックからスタートしている人がほとんどになってしまったから、バリーのようにアメリカン・ポップスをちゃんと歌いこなせる人は少ない。
バリー・マニロウのようなシンガーは現代、逆に希有な存在となった。
このアルバムを聴くと、久しぶりに昔の友人に逢えたような嬉しさにひたれる。
メロディーがきれいで、バリーのやさしい声も健在。
ほんとうに歌のうまい人の歌を聴いたのって久しぶりという感じがする。
岩崎宏美とのデュエットも違和感なく入っていて、なかなかいい雰囲気だ。
美しいアレンジで50年代の名曲を現代によみがえらせた、これから何十年も聴けるアルバムだ。
今年で60歳になったバリー・マニロウ。
まだまだ元気で、そのやさしい歌声を聴かせてほしい。



