![]() | コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア~ジャパン・ツアー・スペシャル・エディション(DVD付) マドンナ (2006/08/23) ワーナーミュージック・ジャパン この商品の詳細を見る |
曲目
ディスク1
1ハング・アップ
2ゲット・トゥギャザー
3ソーリー
4フューチャー・ラヴァーズ
5アイ・ラヴ・ニューヨーク
6レット・イット・ウィル・ビー
7フォービドゥン・ラヴ
8ジャンプ
9ハウ・ハイ
10 アイザイック
11 プッシュ
12 ライク・イット・オア・ノット
ディスク2
DVD
1ハング・アップ
2メイキング・オブ・ハング・アップ
3ソーリー
4メイキング・オブ・ソーリー
ダンスビートに見え隠れするスーパースターの心情
このアルバムは全世界でものすごいセールスを記録しているらしい。
マドンナの前作「アメリカン・ライフ」は彼女としてはメッセージ色の強い作品だった。
アメリカン・ドリームの体現者としての自身の心情を正直に現した歌詞が鮮烈だったが、セールス的にはふるわなかった。
一転して、今作は自身曰く「ノー・コンセプト」の作品。
それぞれの曲がノン・ストップでつながってゆくダンス・アルバムで、久しぶりのビッグセールスとなった。
アーティストがある程度苦労して作ったコンセプチュアルな作品はセールスが伸びず、わりあい軽い感じで作ったノー・コンセプトのアルバムはビッグセールスを記録するというのは、昔からポップ・ミュージックの世界ではよくあることだ。
私は、前作のような「いい歌詞」と斬新なアレンジの曲をマドンナに期待していたので、このアルバムの先行シングルの「ハング・アップ」を聴いた時は、正直かなり失望した。
いくら大ヒットしているとはいえ、この「ハング・アップ」はアバの曲をサンプリングしただけで特に斬新でもないし、原曲の方が断然いい。
今度のアルバムは買うのをもうやめようと思っていた。
マドンナは、自分にとっては異性であるが、ある意味、私の価値観、人生観にまで影響を与えたアーティストである。
そんな彼女に質の高い作品を私が期待してしまうのは無理もないところだ。
しかし、実際にアルバム全体を聴いてみると、ダンス・ビートが前面に押し出されてはいるものの、やはりその歌詞には彼女の正直な心情が見え隠れしていて、単なる踊るだけのダンス・ミュージックになっていないところが面白かった。
「ハング・アップ 」
アバのこの曲をリアルタイムで聴いている私にとっては、初め許すことのできない曲だった。原曲のアバの圧倒的なヴォーカルに比較して何とも貧弱なマドンナの声。しかし、70年代終盤から80年代に到る頃のディスコ・ミュージックがこのアルバムのひとつのテーマになっていることを思うと、このサンプリングはこのアルバム全体を象徴しているナンバーと言える。
『ハング・アップ』という言葉の使い方が面白い。この言葉はPCが普及した現代ならではの言葉なのではないか。
すごく新しい響きがあって、それを「I'm hung up for you」として、「私はあなたに夢中になる」という意味にするところが面白い。
「ゲット・トゥギャザー」
全体を覆い尽くす、こもったようなシンセの音が80年代ディスコ風。
「ソーリー」
誰かのことを歌っているのかもしれない。『「ごめんなさい」なんて謝らないで〜』。
「フューチャー・ラヴァーズ」
70年代終わり頃に活躍したジョルジオ・モロダー風のシンセの音とリズムだが、ヴォーカル・アレンジは複雑になっている。
「アイ・ラヴ・ニューヨーク」
ニューヨークへの愛を歌う。自分の愛する街から消えてほしい奴って、いる、いる。
「レット・イット・ウィル・ビー」
前作を思わせる、マドンナの心情吐露ソング。
「長くは続かない」とか「明かりはすべて、そのうち消える」とか「燃えてゆく私を見て」という言葉が重いが、音はカイリー・ミノーグ風に軽い。
「フォービドゥン・ラヴ」
こちらもカイリー風に軽いサウンドだが、ただ軽いだけというわけでもないのはマドンナの声のせいか。
「ジャンプ」
常に努力と根性で頑張ってきたマドンナらしい力強い曲。
「ハウ・ハイ」
これも前作に近い詩の世界。アメリカン・ドリームを実現しスーパースターになってしまったマドンナの孤独感と疲弊感のようなものが歌われている。
「アイザック」
最近のマドンナが心酔するカバラの詩が、商業的なポップソングに使用されていることで大批判を浴びた曲。このあたりの無神経さは相変わらずだ。
「 プッシュ」
重いリズムで、このアルバムではやや異色な曲。「Like a Prayer」を思わせるパーカッションの使い方がいい。
「ライク・イット・オア・ノット」
「あなたに好かれても嫌われても構わない〜」。一人立ち続ける「強い女」であり続けるマドンナの孤独感が伝わってくる曲。

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽


