乱聴
今日こんなものを聴いた。
「Ultra Blue」宇多田ヒカル
ULTRA BLUE ULTRA BLUE
宇多田ヒカル (2006/06/14)
東芝EMI
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「いい音楽がわかっている人」

曲目
1This Is Love
2Keep Tryin'
3Blue
4日曜の朝
5Making Love
6誰かの願いが叶うころ
7Colors
8One Night Magic Feat. Yamada Masashi
9海路
10 Wings
11 Be My Last
12 Eclipse (Interlude)
13 Passion

たしか前作?の初の全米向けアルバム「Exodus」の曲にはまったく魅力が感じられなかったものだが、日本語で作られたこの新作には、やはり宇多田ヒカルならではの魅力が随所に発揮されている。
過去3枚の日本語アルバムはどれもが大ベストセラーであり、どれもが高い完成度と新鮮な感覚に彩られた傑作であったが、このアルバムもまた、ほかの日本人アーティストとは違った次元の音楽が詰め込めまれているといった感じの作品になっている。

透明感のあるサウンドとキーの高い宇多田ヒカルのヴォーカルが溶け合って、どの歌も非常に耳ざわりがよく聴きやすいのが特長だ。
耳に心地よい音楽、いい音楽というものが感覚的によく分かっている人だと思う。

ある雑誌のインタビューで宇多田は、このアルバムを創っていて気をつけていたことのひとつとして、「シンプルに創ること」を第一に挙げていた。
彼女のオフィシャルHPを見てみると、好きなアーティストとして、モーツァルトやプリンスや美空ひばりの名を挙げているが、これらの音楽家の曲はみなシンプルだ。
なるべくシンプルな音で創る。音数(おとかず)があまり多くなり過ぎないようにする。
良い音楽はみなシンプルなものだ。
このアルバムの曲はみなシンプルで美しい。

また、詩の面では、これもシンプルでいながら、ぐっと心に響く詩がたくさんあるのは日本語アルバムならではだ。
宇多田ヒカルの趣味は読書だそうだが、それがこの深みのある詩を書ける原動力であることは間違いない。
たくさんの本を読んでいれば、他の、本も読まないような日本人の同年代の女性シンガーでは書けない詩がたくさん書けることも当然だ。
例えば、私の好きなフレーズに、

誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ
みんなの願いは同時には叶わない

というところがあるのだが、この詩の正確な意味がなんなのかは聴く者それぞれが考えたらいいとして、私はすごく実感としてこのフレーズが分かるから、この歌詞を最初に聴いた時はドキリ、とさせられた。
こういう詩が書ける人というのは、私は今、中島みゆきくらいしか頭に浮かんでこなくて、いやあ、すごいなあと思っているのだ。
宇多田ヒカルはまだまだ若い。
これから歳を重ねるにつれて、いったいどんな歌を創ってゆくのだろう。楽しみな人だ。

テーマ:女性アーティスト - ジャンル:音楽